由利本荘市で「秋田県聴力障害者福祉大会」が開催されました。
来賓としてお招きいただきましたが、この大会には8年前に初めて参加しています。秋田市議会議員だった当時、檀上ではなく観客席にいたのですが、休憩時間に衝撃的な体験をしました。
私の周りの聾者の皆さんが、一斉に手話で会話し始めたのです。そして、私一人が、周りから取り残されたような感覚に襲われました。
最初は、言語の通じない海外にいるようなものだろうと思いましたが、次の瞬間、ハタと気付きました。
この会場を出た日常空間で、いま私が感じているような周りから取り残された感覚を、聾者の皆さんが感じられているのではないかと。
一見、当たり前のことのようですが、私にとっては衝撃的な体験となりました。
「分け隔てなく誰もが豊かさを選べる社会づくり」のためには、自身の体験を通さなければ、本当には理解できないことがあります。
大会の直後、手話サークルに入会し、聾者の皆さんや手話の普及に努めている皆さんとの交流が始まり、現在に続いています。
そして、この体験が、秋田市の手話言語条例の制定の提言につながりました。
今年の大会では、手話サークルの仲間との再会などもあり、感慨深い1日となりました。