たけうちブログ

「里山資本主義」

「里山資本主義」著者の藻谷浩介さんの講演・交流会に参加するため、藤里町に行ってきました。
藻谷さんの人気はさすがに高く、地元の方だけでなく、秋田市から参加する皆さんも多かったです。
講演では、イメージではなく、データを前提に物事を捉える大切さを学ばせていただきました。中でも、私が大きな気づきを得られたのは次の2点です。

一つ目は、「高齢化」や「少子化」という概念について。
秋田県だけが高齢化や少子化が進んでいるという既成概念をまずは捨てようということ。そして、高齢化や少子化が起きているのは、秋田だけではなく、世界的な傾向であるということ。
加えて、「高齢化率」や「出生率」という比率の視点は、実態を正確につかみ損ねる恐れがあること。高齢者や子どもの増減を実数で捉えることが大事だということ。
この考え方によれば、藤里町や北秋田市が減少フェーズに入っていて、世界の先頭を走っていることが分かります。このことは、今後、福祉施設に空きが出たときに、施設の稼働がひっ迫した首都圏の高齢者を呼び寄せることもできることになります。
また、これまで高齢者が担っていた農業や商業などの新たな担い手のポジションが空いていってしまうことが分かります。だだ、これらは悲観することではなく、自然や天然資源が豊かで、食糧を自給でき、世界を見渡しても豊かな地域であるという事実もあります。これに着目すれば、これからの新しい時代を作る入り口になるという認識を持つこともできそうです。

二つ目は、「過疎」という概念について。
山林を除いた可住地の人口密度を考えたとき、そもそも、東京や大阪などの日本の大都市圏の人口密度が異常であり、過疎と呼ばれている地域も含めて、世界中の多くの地域と変わらないということ。秋田県はイタリアやドイツと同じレベルで、藤里町にいたってはスペインやアメリカと同レベルだそうです。
「人口減少」というイメージに萎縮することなく、データに基づいた未来予想を把握すること。そして、自らの地域の良さを認識し、次世代を担う子供たちやその土地に訪れたことがない人々にしっかりと伝え、往来や移住などのアクションへ誘っていくこと。
チャレンジングな藻谷さんのご提案からは、とても大きなヒントをいただいた思いがあります。

講演会にお誘いくださった「ふじさと元気塾」の藤原理事長、民泊でお世話になった竹中さん、スタッフの皆様、ありがとうございました。

sing シング
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