現職が手放そうとしている「コンパクトシティ」構想を、私は引き続き進めます。
そもそも、この構想は、周辺エリアを切り捨てて、中心市街地だけを活性化しようとするものではないんです。
秋田市内の機能を一極に集中させるのではなく、エリアごとに行政機能や公共サービスを集約し、その集約したエリアをネットワーク化しようとするものです。
同時に、秋田市全域からわけへだてなく公共交通を活用して集まれるように整備していくことまでをセットで考えるものなのです。
いわゆる中心市街地には、秋田駅から公園や飲食、アート、寺町、ビジネス街、官庁街、そして、スポーツエリアと広がり、秋田の歴史的の中で受け継がれてきた機能がそろっています。
これらを利便性を高めた公共交通で結ぶことで、魅力的なエリアとして形成していくことができます。
JRの1日の平均乗降数をご存じでしょうか。土崎駅は4,000人、先ごろできた泉外旭川駅の目標は2,000人です。
秋田駅は、2万2,000人に上ります。
人の流れや公共交通の利便性、地域資源の分散による弊害などを考慮すると、どうしても秋田駅前を中心とした中心市街地が適当なのです。
車がなくとも、外出でき、集えるエリアを秋田市のどこかにつくらなければならないのです。
現在だけではなく、将来を見据えた選択が求められています。
秋田市も人口が増えていく過程では、ドーナツ状に郊外への開発が進められてきました。
しかし、人口減少により、虫食い状に宅地が点在するスプロール化が起きつつあります。
支出は増える一方、働く世代が減ることで自治体の税収も減少します。
その結果、道路や上下水道、病院、学校などのインフラ整備に格差が生じたり、福祉や介護、除雪などのサービスに影響が出ることも危惧されます。
少子高齢化により高齢者は増え、それを支える働く世代は減少しています。
現在、秋田市の高齢者は、およそ9万人。3人に1人の割合です。これが20年後には、およそ12万人にまで増えます。2人に1人になる予想です。
コンパクトシティの考え方は、決して、周辺地域をないがしろにしようとするものではありません。
限りある市の資源を最適に配分し、受け継がれてきた秋田市全域の生活を将来にわたって守り、歴史・文化・伝統、独自の地域全体を守りながら、将来につなげることです。
いま、私たち大人が将来の世代に向けて、本当の幸福を感じられる秋田市を残せるかどうかが問われています。
そのためにできることを、私は全力で加速させていきます。