たけうちブログ

「害獣」を「まちの財産」に

ジビエによる地域活性の可能性を学ぶため、講演会「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」の聴講で岩手県へ。
岩手県の野生鳥獣による農作物被害額は、この10年で、毎年4億円から5億円。そして、そのおよそ半分がシカによる被害とのこと。
プロジェクト代表の兼澤幸雄さん、シカによる農業被害に苦しんでいる農家を助けたいという思いから、まずは自らがハンターになったそうです。
当初は、狩猟したシカのほとんどは埋設や焼却によって「処分」されていたとのこと。
現在、頂いたい命を大切にとの思いから食肉処理・加工工場を作り、大槌ジビエのブランディング、流通網の拡大、革製品の販売などに取り組んでいます。
シカ肉の処理加工は、狩猟後1時間以内に徹底していることから、ジビエの概念が変わるほど臭みがないと評判。現在は県内のみならず、首都圏の飲食店でも取り扱われているそうです。
この取り組みに興味を持った方が大槌町に足を運んでもらえるようにと、狩猟に同行するハンターツーリズムも企画していて、希望者にはハンター育成プログラムも用意し、これまでに20名近くのハンターが生まれているとのことでした。
農業被害を食い止める思いでスタートしたこの取り組みは、結果として、ジビエによる新産業を産み、観光PRに寄与し、若手ハンターの育成にまで発展しています。
「大槌ジビエサイクル」と呼ばれる取り組みの全体像は、秋田における鳥獣被害への対策として、とても参考になるものでした。
講演会のあとは、シカ肉を美味しくいただいてきました。

sing シング
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