昨年、世界自然遺産登録から30年を迎えた「白神山地」。これを活用したツーリズムの可能性について、10月の秋田県議会決算特別委員会の総括審査で知事に質問しました。
世界自然遺産のエリアは、「核心(コア)エリア」とその周りの「緩衝エリア」に分かれていて、「核心エリア」の扱いが青森県と秋田県で異なっています。そして、昨年の白神山地への入山者数(約4万人)の9割が、青森県側でカウントされています。
青森県側では観光バスの台数や宿泊団体ツアー数が大幅に伸びています。
この30年間で、青森県側は「観光振興」に力を入れ、事前に申請すれば入山できるのに対して、秋田県側は「自然保護」に重きを置き、研究目的を除き基本的に入山禁止としてきました。
そこで、総括審査では、秋田県側全体が核心エリアのみならず入山禁止のイメージを持たれてしまっている現状に危惧していることを提起しました。そこで、インバウンド対応を含め、事前講習や専門ガイドの同行を義務付けたり、年間入場数制限や高額入山料金を設けたりするなどの厳格な条件下で、核心エリアへの入山の可能性を検討していくべきではないかとの質問をしました。
併せて、秋田の全体の誘客を進めるために、白神山地のブランドを活用した広域観光について提案しました。
これまでにも、現地に赴いてヒアリングしたり、これまでの論点整理を行ったりしてきました。さらに議論を深めるため、この週末、白神山地の世界遺産エリアに隣接する小岳のエコツアーにも参加しました。
頂上から世界遺産エリアを眺めながら、この世界に誇る宝の森を将来へどのように繋いでいくべきなのか。改めて深く考える機会となりました。
自然保護は当然のこととして、秋田県における白神山地の対応方針について、引き続き調査・議論してまいります。