「パックライスの戦略的活用」との各論を皮切りに、9月議会「総括審査」で幅広い質問をさせていただきました。
中長期的に危惧される人口減少による需要減、担い手不足による供給減に計画的に対応することで、海外市場への販路拡大や食品加工の強化を訴えさせていただきました。
明日で、9月9日からの9月議会もひとまず終了。
国政では衆議院解散総選挙を控えていますが、秋田では、やらなければならないことが山積みです。
10月15日から11月1日までは、決算特別委員としての集中審議に取り組んでまいります。
※「総括審査」の質問内容については、このあと4回に分けて投稿いたします。
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秋田が「食糧供給基地を目指すこと」について(1/4)
※9月議会「総括審査」で行った質問より
恵まれた気候、肥沃な耕地を持つ秋田県において、米作りは基幹産業の一つ。「秋田県は食糧供給基地を目指す!」という知事の考えに賛同するが、その一方で二つの中長期的な課題があり、それらを踏まえた戦略を立てるべきと考える。
1)国内人口の減少に伴う需要減
2)米作りの担い手不足による供給減。
需要が拡大している「パックライス」のトピックを交えながら、「マーケット」、「加工」、「米作り」といった川下から川上までの一連のサプライチェーンの切り口で質問をした。
■マーケット
国内は人口減少により需要の減少が見込まれる。そこで、農林水産省は、国外へ新たな販路拡大を目指し、輸出に対する手厚い支援に取り組む。
米の輸出額は、実績、目標ともに右肩上がり。秋田県はこのマーケットの変化にどのように対応していくのか、そして、その対応は結果に出ているのかなどについて質問した。
【質問1】
秋田県の農産物輸出額は、農業経済課販売戦略室のデータによると、「新時代を勝ち抜く攻めの農林水産戦略」では、令和3年度の「農産物の輸出額」として、およそ3億5千万円となっているが、その後の推移はどうか?そして、全国では、東北では、どのような位置付けになっているのか?
【質問2】
秋田県はしっかりと稼げているのか?
地域経済は豊かになっているのか?食料品製造品出荷額等、令和元年のデータでは、1,335億円、47都道府県中44位と低位にある。この動向に変化はないのか?
農業県である本県は、食料供給を担っているが、原料としての販売が大半であり、県内で加工が十分に行われているとは言い難い。
加工の話であれば、米だけでなく農産物全般でひと手間の加工で付加価値をつけていることが多くある。
先日伺った話では、玉ねぎの皮を剥いて出荷することで、価格は倍近くで売れるとのこと。ユーザー、マーケットに寄り添った製品提供が、経済を回している。
このことは、「パックライス」にも当てはまるはず。
国内外において、炊飯をせずに美味しいお米を食べられるという点では、若者、一人暮らし、そして外国人において受け入れられる要素がある。国内の飲食料市場規模は、人口減少や高齢化の進展により減少する一方、世界の食料需要は世界人口増加と食生活の変化により増加することが見込まれる。
2030 年の主要34カ国の飲食料市場規模は、1,360 兆円となり、2015 年の 1.5 倍に増加することが見込まれており、特に人口と1人当たりGDPの伸びが大きいアジアでは、420兆円から800 兆円と 1.9倍の規模に増加することが見込まれる(資料1)
さらに、お米、およびパックライスの輸出実績は、過去最高額を更新している。パックご飯の輸出数量と輸出額は、統計を取り始めた2017年は3億4400万円ほどに過ぎなかったところ、2023年には約3倍の10億円に成長した。アメリカ、香港、台湾などを中心に伸びている(資料2)
【質問3】
今後の市場の伸びが予測されている世界需要にどのくらい積極的に対応していくのか?「秋田県は将来の食糧の供給基地」としての役割に関する知事の所見を聞いた。